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読むだけでトラウマが解消されるストーリー -20- イヌイットの歴史

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それほど遠くない昔、イヌイットはまだ定住をせず、夏は動物の皮で作ったテント、冬はイグルーという雪や氷でできた家に住んで獲物を追いかけ移動しながら生活をしていました。

今のように集落を作り定住しだしたのはほんの60~70年前の話です。

それまでは、自然とともに大地にしっかり根付いて生活をしていました。

それは、日本の縄文時代のような生活だったのではないかと思うのです。

そこに白人が入ってきて、まずキリスト教を普及し、それから彼らの穫ってきた毛皮と白人の提供する物資とを交換するトレーディングポストができ、イヌイットはお酒やタバコ、その他白人が使っているものを手にするようになっていきました。

そのうち学校ができ、子供たちは親元から離され寄宿学校に入学し、英語を話すことを強要され自分たちの言葉を話せなくなってしまいました。

学校に行くことで自分たちの家族そして文化から離され、アイデンティティを失ってしまったのです。

私が友達になった人たちの多くは、自分のおじいさんやおばあさんと話しができませんでした。

どうしても自分の言葉を取り戻そうと思った人たちはおじいさんやおばあさんに教わってイヌイット語を話せましたが、それほど多くはありませんでした。

イヌイットはきっと、お酒やタバコそしてお金が入ってきて、白人社会の便利なものにどんどん飲み込まれて行くことになり、自分たちのアイデンティティを失っていったのでしょう。

これはイヌイットの話しですが、同じモンゴロイドの血をひく、自然とともに生きてきた私たち日本人にも同じようなことが当てはまるのではないかと思いました。

日本なんか大嫌いだ!と日本を飛び出して異国の生活を体験してみましたが、離れてみると、それぞれがそれぞれの問題を抱えて生活をしていることがよくわかりました。

そして日本の素晴らしいところもとてもよく見えてきました。

-21-につづく

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