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読むだけでトラウマが解消されるストーリー  -8- 太陽が沈んだままの冬

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わたしがこの北の大地に訪れたのは極寒の10月から3月でした。

飛行機で着いた時もそして日本に帰国する時も北極海は凍っていました。

冬至を挟んで前後6週間は太陽の全く出ないほとんど真っ暗闇の世界です。

凍てついた夜空に顔を出すオーロラが何ともいえず神秘的でした。

しかし、やはり太陽が出ないということは人の気持ちをどんどん暗くしていきます。

暗闇の世界で過ごしたことで改めて太陽の光のありがたさを実感しました。

日本でも梅雨の時期は鬱病になる人が増えるとわたしの日本の主治医から聞いたことがあります。

以前ヨーロッパからの帰りの飛行機で隣に座っていた北欧のスウェーデンからきたという方からも、スウェーデンでは自殺する人の割合が他の国より高く、それは長く暗い冬があるためだと言うことを聞きました。

そんな長く暗い冬を乗り切るためか、何か心が明るくなることを求めてか、クリスマスの一ヶ月ほど前から村中あちこちで競って家の中も外もまるでルミナリエのようにクリスマスライトをともしていました。

それを村の人たちは村中歩いたり、スノーモービルに乗って見に行くのを楽しんでいました。

そんな中、学校の子供たちはわたしがクラスに来るのをとても楽しみにしてくれ、わたしは日本から持ってきた着物をきせてあげたり、折り紙、日本の歌、カタカナで名前を書いたり、出来るだけみんなが楽しめるように試行錯誤を繰り返しながら子供たちとの時間をすごしました。

ほとんどの子供たちはKgluktukから出たことがありません。

日本がどこにあるかも知らないので、わたしのことを「チャイニーズ」と言ってました。

ですので、先生方もわたしがこの学校に来ることで子供たちの視野が広がると、とても感謝してくれました。

反対にわたしの方が彼らの純粋さや自然と共に生きている生活感を学ばせてもらえ視野がぐっと広がり、本当に行ってよかったと心から思いました。

-9-へつづく

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