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クグルクトゥックに着いた次の日、わたしは早速村の学校に連れて行ってもらいそれぞれのスタッフに紹介してもらいました。
時差ぼけやら未知の体験への興奮した気持ちやらでなんだかふわふわとした感覚で校長先生の後をついて歩いき、出会う人出会う人に「Hello!」「Hello!」とニコニコと挨拶をしてまわりました。
その中で、将来わたしの「夫」でありわが息子の「父親」となる彼とも挨拶をかわしたのです。
今でもはっきり覚えていますが、その彼に会ったとき「この人は結婚していて小さな男のお子さんがいるんだろうな」となんの根拠もなく思ったのでした。
わたしは独身のイヌイットの女性の家でホームステイをしていたのですが、それから一週間ほどして、彼女がお隣さんをわたしに紹介するために夕食に招待してくれました。
「ピンポーン」と玄関のベルが鳴りドアを開けると、あの学校で「この人は結婚していて小さな男のお子さんがいるんだろうな」と思った彼が立っていたのです。
聞くと彼は独身で、一匹の犬と一緒に一人で暮らしているということがわかりました。
その夜は、この村での生活のことを色々二人に教えてもらい、とても楽しくすごしました。
そして、彼が帰るときにさようならと握手をしたとき「あ!わたしこの人と結婚する」と心の中からそういう感覚が湧いてきました。
わたしの直感です。「小さな男の子がいるだろうな」と思ったことも、息子を生んだときにその理由がわかったのでした。
-7-へつづく
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