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北極圏のこのイヌイットの村に住んでいた時に、イヌイットはなぜ過酷な環境の中で生きていけたのだろうと考えました。
この北極に近いツンドラ地帯は一年の半分以上が氷に閉ざされ、冬には太陽の出ない日が何週間もあり、暖かく快適な家もないのに彼らはどうして生きていけたのだろう。。。
そう考えた時にふと、目には見えない「大いなる存在」が彼らを導いていたのではないかと思ったのです。
「サムシン・グレート」「神様」「創造主」「グレートスピリット」
呼び方は色々ありますが、私たちそしてこの宇宙を動かしている「大いなる力=存在」と彼らは直感や導きという形でコミュニケーションをとっていたのではないかと。
そして彼たちは過酷な状況の中でも、何をすればよいか、どこに行けばよいか、時には獲物も彼らの目の前に連れてきてくれる、命を守ってくれる。
そう、母親のように私たちを見守ってくれる存在とコミュニケーションがとれていたに違いないと思いました。
文明が発達し、便利な暮らしが出来るようになった人間には分からない「大いなる存在」からのメッセージを、文明から隔離された北極圏に住むイヌイットたちは聞くことができた。
太古の昔、私たち全ての人間はきっと「大いなる存在」とコミュニケーションがとれていたはずだろうと私は思いました。
アイデンティティを失う=母なる大地との繋がり、宇宙との繋がり、「大いなる存在」との繋がりを失うと言うことなのではないかと今では思います。
イヌイットは「大いなる存在」とはもちろんのこと、花や木や動物や鉱物などの生きとし生けるもの全てとコミュニケーションをとって生きていたのでしょう。
今でははっきりと、そうであったに違いないと自分の体験から実感として言えます。
カナダの北極圏の地で暮らしたことで、私自身、絶たれていたこれらの存在との繋がりをまた取り戻すことができたように思います。
今では常に「大いなる存在」や生きとし生けるものとのコミュニケーションを「直感」や「感んじる」という方法でとっています。
その声なき声に心を傾けると人生が豊かになります。
きっと、イヌイットも母なる大地や大いなる存在に守られているという安心感があったに違いないと私は思いました。
-22-につづく