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さて、Kugluktukに戻ってきた私はというと、仕事があるわけでもなく一日中好きなことをしていられます。
家の掃除や洗濯、料理はしてもその他の時間は自由です。
外はとても明るいし北極圏の夏は初めてなので
毎日あちこち散歩に出かけたり友達の所に遊びに行ったり。
何もかもが新鮮でまたまた楽しいことばかりでした。

毎日外を観察していると、お日様が一日中照っているのでみるみるうちに草が育っていき
「あれ!?なんだか昨日よりすごく大きくなっているぞ!」
とびっくりします。
北極圏の夏は短く7月にあおあおと茂っていた草も8月に入るとあれよあれよという間に紅葉し
8月のお終わり頃にはツンドラに辺り一面ブルーベリーなどの小さなベリー類がひしめき合うように実を付けます。
それも数日のこと。たくさんの村人がブルーベリーを摘みにツンドラへ出かけて行きます。
摘んでは食べ、食べては摘みの繰り返し。
私たちが店で見るようなあんな大きなブルーベリーではなく、1センチもない小さな実で、味も野性味のあるさっぱりした味。
この時期だけ味わえるなんとも贅沢なツンドラのブルーベリーです。

それをみんなうれしそうにほうばっています。
(写真は町のすぐ側にあるツンドラの地。ツンドラには木が生えません。地面を這うように草が生えています。ここに辺り一面ブルーベリーが実ります)
夏もイヌイットの住むこの北の果ての地は、日本では経験できないことだらけ。
一日一日、一瞬一瞬、自然の素晴らしさ、おもしろさを体験できました。
手つかずの大自然の中でキャンプしたり
海や滝で魚つりをしたり
北極海の浜辺で大きな焚き火をしたり
北極海に沈んではまたすぐ昇る太陽を見にいったり。
お天気のよい日にはよく、海の上に蜃気楼が見えました。
なんとも神秘的な不思議な気持になり、心の中が静かにワクワクするのでした。

(写真は北極海~北~に沈む夕日)
-15-につづく
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