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読むだけでトラウマが解消されるストーリー -12- 大人になってからの反抗期

〜わたしの歩んできた道  バックナンバーはこちらから〜

大人になってからの反抗期は思春期の反抗期よりたちが悪いそうです。

思春期に上手く反抗期を乗り切ると大人になってからの親子関係もスムーズに行くようですが

とにかく子供の頃から溜め込んできた親に対する不満が一気に爆発し『恨み』の気持ちさえ出てきました。

何もかもがいやになって腹がたって

「こんな惨めな気持ちになるのは親のせいだ!」

「親の顔色をうかがいながら不自由な気持ちで息苦しさを感じて生きなければならなかったから私はいつもこんないやな気持ちになるんだ!」

「お母さんがいつも色んなことを心配し、不安に思い、ネガティブだったからどれだけ私は辛い思いをしたか。お母さんは私の気持ちなんて分かっていない!」

などなど、胸の内からこんこんと湧き出る思いは押さえることができませんでした。

小さい頃からお母さんの喜ぶ顔が見たいからお母さんの笑う顔がみたいから、一生懸命お手伝いしたり、勉強を頑張ったり、いい子ちゃんのふりしたり。

「もういやだ!!」怒りの気持ちが火山が噴火するように爆発しました。

そうすると、母親に対しての怒りだけではなく世の中に対しての怒りや不満も出てきて、しばらく自分の部屋にこもって外に出られなくなりました。

引きこもり状態です。

泣きはらして顔もむくみ、鏡を見るのが恐ろしいぐらい。

自分で「なんて醜い!」とそれを引き金に自己否定も始まります。

光で覚醒した私はどこへ行ったやら。

またどん底まで落ちてゆきました。

親から離れ、カナダで自由を体験してきた私はその自由な感覚が忘れられず

そして離れてしまったKugluktukの彼のことが恋しくて

「もうどうなってもいいや。こんな家と国(日本)出て行ってやる!」

底をつけば怖いものなしです。

私は日本脱出計画をたてました。

手元に貯金はそれほど残っていませんでしたが

一番安く手に入る大韓航空のバンクーバーまでの一年間有効のオープンチケットと

Kugluktukまでの片道チケットを購入し

出発の日を決め、短大時代から親しくしている5人の友人に連絡をとり

「家出してカナダに行く」

と告げました。

みんなびっくりしていましたが

「しーちゃんは勇気がある。応援するよ!」

カナダに行く前日にみんなでホテルに泊まろうと大阪のホテルを予約してくれました。

父親の小さなスーツケースをこっそりと使い

必要最低限の荷物だけ詰め

両親が二人で買い物に行っているすきにそのスーツケースを宿泊予定のホテルに宅急便で送りました。

そして出発の前日に「友達の家に泊まりに行く」とだけ言って家を出ました。

その晩は友人たちとお別れ会というか壮行会。

夜通し語り明かして次の日みんなとホテルで別れ空港に向かいました。

そして、空港の郵便ポストに家を出る前に書いた両親宛の手紙を投函して

韓国経由でカナダに行く大韓航空機に乗り日本を後にしました。

その時手元に残っていたお金はたったの500カナダドル(約45,000円)でした。

-13-につづく

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